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第34回 環流文明研究会 報告

2013/02/01 3:46 に Jun Inutsuka が投稿
第34回 環流文明研究会は、予定通り、1月19日(土)午後1時から和敬塾第4教室で行われました。大場紀章氏((株)テクノバ)が「エネルギー制約下の文明論」というタイトルで発表しました。当初は星野克美氏の「資源・環境危機未来予測2」と題する発表も予定しておりましたが、大場氏の発表と質疑応答ならびに議論が長引いたために次回に持ち越しとなりました。
 
大場さんは、石油、天然ガス、石炭、原子力、再生エネ、非在来型資源全般にわたって考察を進め、悲観的見通しを示しました。特に衝撃的なのは、シェールガス・オイルが多くのメディアが流している楽観的見方とはまるで反対の悲観論を示したことでした。シェールガス・オイルの可能性は、オバマの「100年説」でますます楽観論で彩られ、まかり通っています。「100年説」は在来型やCBMやタイトガスサンドを合わせた埋蔵量であったにもかかわらず、シェールガスの埋蔵量として公表されてしまいました。大場さんによれば、シェールガスの採掘は2、3年のうちは採算がとれても次第に採掘量が減り、従って次から次へと採掘しなければならない状態が続き、あと6年、せいぜい25年で採掘ができなくなる(採算がとれなくなる)とのことです。しかもシェールガスは利益を取れず、オイルで延命されているとのことでした。すでに在来型も採掘量は減少しているのであり、メディアが流すように、シェールがエネルギー革命を引き起こすなどというのは全くの絵空事でしかないということになります。
なぜ十分な検証もせずに夢を追い求めるのでしょうか。この疑問は十分に議論されたわけではありませんが、今後、議論する必要があります。
もちろんアメリカがシェールオイルに依存して中東の資源依存から脱却することは当面(10年ほど)は可能でしょうが、その先は見えません。資源減少という問題は先送りされただけです。
メデイアは、日本はシェールガスをアメリカから輸入できる可能性を書き立てていますが、それはないだろうということです。
人類がエネルギー制約に直面し、どのようにこの課題を解決できるか、その解決の糸口は誰にも明らかです。にもかかわらず実行はほとんど不可能に見えます。「分かっちゃいるけど止められない」という植木等の歌が思い出されます。かくして人類は自滅するのでしょうか。私にはそうとしか見えませんが。(1月20日 記)
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