公開文書のページをご覧ください。今回の現地報告に出てくるKJというのは、Kawruh Jiwaのことです。私(染谷)は「ジャワ心学」と訳しています。 創始者はキ・アグン・スリョムンタラム(Ki Ageng Suryomentaram、1892~1962)というジョグジャカルタのハムンクブウォノ王家の第7代の王(スルタン)の王子でした。彼は若い時に当時最高のイスラム学者アフマド・ダーランにイスラムを学ぶなど研鑽を深め、心学を編み出しました。私は彼の思想に仏教、ヒンドゥー教、イスラム、近代西洋思想などを見出しています。中山君がいうように、この思想を生きる人々は今もなお、師もなく生徒もない、皆が平等な立場で対話を続け、それぞれが自分自身を見つめ、人間の生き方を追求するという集まりを実施しています。混迷を深める現代、人間として生きる道を模索する地道な活動に私は共感し、彼らとの交流は今も続いています。日本でも必要と思い、この心学を学ぶ機会を設けたことがありましたが、いつの間にか立ち消えになりました。物質主義的な近代思想に固められ、多忙な生活を余儀なくされている日本ではこの思想は合わないようです。中山君は、いまどきの若者であるにもかかわらず、この心学に非常に感動したようです。 |