今回の環流文明研究会は、予定通り、12月15日(土)午後1時から実践女子大学日野キャンパスの犬塚研究室演習室で行われました。まず杉本隆成さんが「地球温暖化問題の現状」を発表。ついで星野克美さんが「『グリーンエコノミー』の構築」を発表しました。 最初に、大気の空間構造と時間的変動ならびに海洋の空間構造と時間的変動についての概略が説明され、次いで気候の変動因について、自然的運動と化石燃料の消費について説明がありました。いわゆる地球温暖化は自然の運動によるのか、それとも人為的に引き起こされたものなのか、専門家の間でもまだ決着がついていないとのことでした。ただ、確実に温暖化は進んでおり、平均気温が2°Cを超えれば、水不足に見舞われ、海面が上昇、21世紀後半は水災害と食糧不足が深刻化するという報告がなされました。 発表をめぐって活発な議論が展開されました。なかでもIPCCの政治性については熱のこもった議論がなされました。 「『グリーンエコノミー』の構築」では、資源の枯渇化を迎え、縮小・定常経済の構築、価値観の転換、市民・NPO主導の社会経済、地域生態圏経済の構築、小規模企業の連載体制、連帯経済の構築、重農主義経済の構築、グリーンコンパクトシティの構築などが提案されました。日本各地ですでに取り組まれている事例が紹介され、熱のこもった議論が展開されました。 今回は今年最後の研究会となり、研究会のあとの二次会でも議論は白熱しました。次回は1月19日(土)午後1時から和敬塾で行われます。発表者は大場紀章さんの「エネルギー制約下の文明論」と星野克美さんの「2015年石油危機・財政政危機予測」を予定しています。(12月16日、染谷記) 今週の土曜日(12月15日)の研究会で発表される杉本隆成氏(東海大学海洋学部)の概要が届きましたので以下にお知らせします。 タイトル:「地球温暖化問題の現状」 最初に、大気と海洋の温度・流れの構造と海洋の生態系がどの様に決まっているのかについて、 次に、IPCCのモデリンググループの考えている「炭酸ガスの人為的増加による1900年以降の地球温暖化シナリオ」について、気候の過去数10年、数100年の変動傾向から見た将来予測の考え方について紹介する。 何れにしても、1990年頃からの顕著な温暖化傾向は2030年-50年代までは続き、その後は人為的な炭酸ガス増加傾向による昇温と、数100年周期で見た太陽風の(11年周期の変動の振幅の)弱まり(宇宙線照射量と雲量の増加)傾向による降温との拮抗になるのではないかと推測され、数値シミュレーションモデルにおける「雲量」のダイナミックスとパラメータ化精度の向上が今後の重要課題になっている。 なお、PPの資料は「公開文書」に掲載してあります。当日はこれをプリントアウトしてお持ちいただけると幸いです。 次回の研究会は、予定通り、来週の土曜日(12月15日)の午後1時から実践女子大学日野キャンパスの犬塚研究室で行います。発表者は星野克美さんと杉本隆成さんです。ただし杉本さんとは現在確認中です。確定次第、改めてお知らせします。タイトルと発表内容はすでにお知らせした通りです。 今年最後の研究会となりました。研究会終了後に打ち上げ会を挙行したいと思っております。寒中ではありますが、是非ご参集ください。(12月7日記) |