来る21日の研究会は「優勢な科学技術文化と劣勢な精神文化」をテーマとすることについてはすでにお知らせした通りです。
この研究会では現代世界を牽引している「科学」と英語という言語の関係についても問題提起したいと思っています。英語が他の欧語と比べてもずば抜けて「神の視点」の言語であること、それが「現代科学技術」に通底すると思うからです。そしてとにかく主語を立てなければ文が成立しない言語であること、主語を立てれば必然的に他動詞を頻用する言語(「する」言語)であることが現代技術に通底するのではないかと思うからです。
「神の視点」と対極にあるのが「虫の視点」の言語ですね。日本語やインドネシア語あるいはジャワ語がそうです。「神の視点」「虫の視点」を指摘したのは金谷武洋(『日本語に主語はいらない』『英語にも主語はなかった』講談社)ですが、彼によれば韓国語や中国語もそうだといいます。この点について濱田さん、李さん、王さん、楊さんにお聞きしたいです。
虫の視点は、文字通り、自然に密着した視点です。自然主義的文明を構想するこの研究会で是非このことについて論議したく思っています。(2012.1.10) |